ことばのルーツを、さくっと解説

その言葉の由来、
しってる?

『完璧』も『矛盾』も、もとは2000年前の人間ドラマから生まれた一語。日常で使うあのことばの裏側を、さくっと読めるサイズで紹介します。

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#161 春秋
死者に鞭打つ ししゃにむちうつ

「死者に鞭打つ」は、亡くなった人の言動をあとから責めること。出どころは『史記』伍子胥列伝で、父と兄を殺された伍子胥が、仇の楚の平王の墓をあばき、屍を三百回鞭打った話です。ところが『史記』より前に書かれた記録では、鞭打たれたのは屍ではなく「墓」。同じ場面からは「日暮れて道遠し」も生まれました。

伍子胥 読了 6 分 →
#160 日常語
忖度 そんたく

「忖度」は 2017 年に一気に広まった言葉ですが、上の人の意向を先回りして汲む使い方は、1949 年の国会の証言にもう出てきます。さかのぼると『詩経』の忖度は、古い注釈によれば、告げ口をする者の腹の内を見抜く言葉。『孟子』では、自分でも分からなかった心を孟子に言い当てられた王が、「詩に言う忖度とは、先生のことだ」と喜びました。

孟子 読了 6 分 →
#159 故事成語
君子豹変 くんしひょうへん

「君子豹変」は、いまは態度ががらりと変わることを言います。国語辞典は、もとは君子が過ちを改める褒め言葉だと説明します。ところが出どころの『易経』では、この四字は変革の卦の締めくくりに置かれ、「小人は面を革む」と続きます。三国時代に蜀が魏に降ったとき、この小人の句と君子の句は、降った側と迎えた側で使い分けられていました。

劉禅 読了 6 分 →
#158 ことわざ
情けは人の為ならず なさけはひとのためならず

「情けは人の為ならず」は、人にかけた情けが巡り巡って自分に返る、という意味。「その人のためにならない」と取るのは誤り、と『日本国語大辞典』は注記します。ところが明治 38 年の辞書は、甘やかすのは本人のためにならない、という説明を、すでに語釈に書いていました。いま誤用とされる意味と、ほぼ同じです。鎌倉の説話集で情けが返った先や、能の生霊がこの言葉で迫った報いまで、ことわざの中身をたどります。

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#157 楚漢
敗軍の将は兵を語らず はいぐんのしょうはへいをかたらず

「敗軍の将は兵を語らず」は、負けた者は言い訳をしない、という意味で使われます。出どころは『史記』。背水の陣で捕らえられた趙の軍師・李左車が、勝った韓信に策を問われて返した言葉です。ところが原文に「兵」の字はありません。しかも李左車は重ねて請われると策を語り、『史記』によれば、燕はその策どおりに漢へ従いました。

李左車 読了 6 分 →
#156 日常語
贔屓 ひいき

「ひいき」の漢字「贔屓」は貝だらけですが、その貝はお金とは関係がないようです。意味も、もとは人を引き立てる言葉ではなく、確かめられる最も古い例は後漢の「西京賦」で、黄河の神が山を割るときに力を込めるさま。日本で「気に入った人に力を添える」意味の例として辞書が最初に挙げるのは、賄賂でひいきをしてはならない、という禁止の文でした。

張衡 読了 6 分 →
#155 唐
完膚なきまで かんぷなきまで

「完膚なきまでに叩きのめす」の完膚は、傷のない肌のこと。体に無傷のところが残らない、という言い方は、古くは『史記』などの拷問や惨殺の記録に出てきます。ところが唐の段成式は、白居易の詩を三十か所あまり彫った男の体を「完膚なし」と書きました。傷ではなく詩で埋まった肌と、漱石が描いた、師の書き込みで真っ黒な辞典の話です。

葛清 読了 6 分 →
#154 日常語
土壇場 どたんば

「土壇場でひっくり返る」の土壇は、江戸の首切りの刑のために築いた土の壇——と辞書は説明します。ところが江戸の刑罰の記録では、首は罪人の前に掘った穴へ斬り落とされ、土の壇は刑の当日、刀の切れ味を試すために築かれていました。土壇場という言葉が、もとはどんな場所を指していたのかを紹介します。

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#153 宋
紅一点 こういってん

「紅一点」は、王安石の詩の、緑の中に咲く赤い花ひとつから、と辞書は説明します。ところが宋代の記録では、句の頭が辞書と違い、作者も割れています。そして南宋の本には、この句を題にした絵の試験で、花ではなく欄干にもたれる美人を描いた画工が勝ったという話が書かれています。赤い花が女性になるまでを紹介します。

王安石 読了 6 分 →

さがす

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